2003/7 反「減塩論」(其の七)敵視を糺し、原点に戻るべし 自然医学誌 巻頭随想 解説編

これは月刊自然医学(2003/7月号)に掲載させている森下先生の巻頭随想の解説編です。

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2003/7 反「減塩論」(其の七)敵視を糺し、原点に戻るべし

塩というものは、もともと、われわれ人間の生命活動に必須不可欠なものである。

特に「免疫機能を高め、病氣を治す働き」および「健康状態を一定レベル以上に保持して、健康長寿をもたらす働き」に深いかかわりのある“還元力”をたっぷりと持った生命エネルギー物質である。

それなのに、最近は、食塩を始めとした塩分補給源として重要な食品である味噌や醤油などの消費が、激減してきている。

そうした現象を引き起こすに至った要因はいくつかあるが、直接的な因子は、戦後、日本人の食生活が大幅に改悪された(人間生理の自然性に逆行する方向に変化した)ことである。

それに拍車をかけたのは、現代医学および栄養学における大迷信ともいうべき「食塩有害論」に他ならない。

いうまでもなく、日本古来の伝統的食形態である「米・野菜・魚主体の食事パターン」から欧米型の「パン・牛乳・肉類主体の食事パターン」への転換は、単なる物質的性状の違い(栄養学的次元での違い)とは言えないところが、極めて重大なポイントなのである。

すなわち、氣能医学の視点(生命エネルギー値=“氣能値”の高さを重視する、新しい医学の視点)から見ると、後者の欧米型食事は、人間の食形態として極めて低次元のものだ。

実際、日本人の体質・氣質を著しく落ちぶれさせると同時に、伝統的な極めて良質で高レベルの文化を見る影もない衰退状態に陥れ、国情紊乱(政治・経済・文化といった国の在りようを根底から掻き乱すこと)の大元となる因子を生み出してしまったのである。

塩というものは、単なる「調味料」ではない。

塩は、生命の根源そのものであって、生命の核心と言うべき存在である。

それゆえにこそ、昔から願掛けする(神仏に願いが叶うように祈る)ときに、「塩断ち」(一定期間、塩気のあるものを食べないこと)が行われてきたのである。
生命の生殺与奪の力を有する塩を断つ行為だからこそ、「自分の命を削っても、是非ともこの願いを叶えて欲しい」との決意が明確に表明されるわけだ。

また、塩は、そのもの自体が、「清浄」という現象を体現している特異な存在であるからこそ、大昔から、神様へのお供え物である「御饌(みけ)」とされてきたし、穢れ(倫理的・道徳的・精神的に、氣が涸れた状態になる)や喪(人の死に臨んで、親族や関係者が謹慎状態となる)に際して、「潮垢離(しおごり。海水を浴びること)」や「塩拂(しおばらい。塩を振り掛けること)」によって心身を清めることが行われてきたのである。

そしてさらに、日常の料理に於いては、「塩・塩梅(しおあんばい。塩加減)」を吟味することによって、ほかならぬ質実剛健の氣風をつちかってきたのであった。

日本人の、数ある源流の一つである「海人(あま)族は、その昔、遥か遠くの南溟(なんめい。東南アジア方面の大海)の、その広々とした海で生まれる塩分濃度が高く、濃いコバルト色をした「黒潮」に乗って、琉球(沖縄)・九州・紀伊などの太平洋に面した海岸一帯に流れ着いた。
これらの地がいわゆる黒潮文化圏であるが、この地域に於て、「海」や「塩」が信仰の対象物となったのは、まさしく必然の成り行きであった。

また、日本列島そのものが四方を外界に囲まれた島国であるから、日本神話で神々が住んでいたとされる「高天原(たかまがはら)」が、天(あま)と海(あま)が接する水平線の彼方に在る……と考えられたのも、これまた、自然の成り行きと言えよう。
自分たちのルーツを、そこ「高天原」に求めたからこそ、神代時代(この国を神々が統治し、活動していた時代)の、限りなく多数いた神々のほとんどがその名前の中に、「アマ」という言葉を折り込んできたのであろう。

塩を摂取するということは、結局のところ、「生命の根源」を体内に引き入れる行為であって、健康・長寿の根幹となるものである。

食塩の有用性は、どんな理屈を持ち出そうとも、否定することは不可能なのである。「減塩論」は、一面のみを見ることで物事の本質を見誤った視野狭窄適見解に他ならない。そんなバカげた減塩論に、ウカウカと惑わされることの無いように重々注意しなければならない。

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