これは月刊自然医学(2002/1月号)に掲載させている森下先生の巻頭随想の解説編です。

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2002/1 無脳性(農政)「狂牛病」 其の二

狂牛病に関連して、次のようなまことしやかな言説が飛び交っている。

すなわち、「肉骨粉を飼料として与えることによって、牛には狂牛病が発病することがあるけれども、豚や鶏など牛以外の家畜には発症しない。何となれば、両者は生物の系統分類である”種”としては、互いに異なるもので、その生物学的差異が防護壁となるからである」というもの。

また、「同じ牛の体でも危険性があるのは脳髄、脊髄、眼球、小腸の一部といった特定の部位であって、筋肉や牛乳は汚染されていない」といった、いわゆる安全神話も、その一つである。

しかし、これは、狂牛病で死亡した牛の体(屍体)を解剖検査した結果、異常プリオンが集中的に集まっていた部位が何処であったか? ということを唯一の拠り処とした静止的・一面的判断に過ぎない。

屍体ではなく、狂牛病に躍りつつ生きている牛の体において、異常プリオンが実際にどういった動きをしているか、といった肝腎な点については、全く不明なのだ。

そもそも生体物質であるプリオンというものが、生体内でどんな作用をしているかといった「プリオンの生理」が、全く解明されていない現状なのだから、異常プリオンを保有する生物(ここでは牛)について、「どの部位が安全であり、どの部位が危険である」などと即断することは、全くもって無謀と言う他はない話である。

一方、「豚や鶏が、牛と違って安全である」と信じ込まれていることも、何ら確証の無い怪しいことである。

明治初期に西洋文明の受け入れを始めた文明開化以降、日本は世界一の結核団になったことは周知の通りだ。

これは、哺乳動物のうち只一種、結核を発症させる性状をもっているのは牛だが、その牛の肉や牛乳などを摂取し始めた結果である。

ウシに特有の病気である結核が、種を異にするヒトに感染しているという事実がここに存在するのだ。

このように、「種の壁」を飛び越えることは、実に容易なことなのである。

実際、狂牛病に躍った牛の脳組織を、豚の脳に直接接種するといった実験では、「5年〜8年の後に、10頭のうちの7頭に発病した」との報告もされている。

豚も、牛と同様に、潜伏期(感染から発病にいたる時期)が長いために、通常は、症状が出るよりも前に屠殺されてしまう悲しい運命である。といった訳で、肉骨粉を飼料として与えられた豚や鶏もまた、完全には狂牛病と無縁とは言えない。

むしろ、彼らも何程かは既に狂牛病に躍っていることを賢く見通さなければならない。

さて、最近のメディアでの狂牛病関連記事に、「危険部位は、脳神経系および淋巴腺組織である。

もちろん、筋肉や牛乳は無害であるから、思いのまま自由に摂取してよろしい」との論を展開しているものがあり、とりわけ、「淋巴」が強調されているのを目にした。

ところが、現代医学では、この「淋巴」の実態…どんな起原をもつもので、どのような生理機能をもっているものであるか…が正しく肥握されてはいないのである。

それゆえ、「淋巴腺組織に病原プリオンが存在すること」がどれほど重大な意味をもつものかを、理解することができないのである。

実際は、「危険性のある淋巴部位を除去すればいい」などと脳天気なことは言っていられない問題なのだ。

全身組織に隈無く行き渡っている淋巴組織(淋巴球、淋巴管、淋巴腺)に、病原プリオンの危険性があるということは、他ならぬ「全身の危険性」を意味しているものであるから、筋肉や乳汁を「その危険性の時外のもの」として特別に扱うことなど到底できないことである。

生体において、血液や淋巴との関連をもたずに独立している臓器組織などは、一切存在しないからだ。

この辺の真相を解明するためには、「森下自然医学理論」を導入することが不可欠である。

それは「腸造血説」の立場から物事を捉え直すことだが、特に「赤血球母細胞の形成および発展過程」を正しく理解することが重要である。

それについては、次回で解説をしたいと思う。

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