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◆意味深な物語 2004/12アップ◆

ここに紹介する「現代版 マッチ売りの少女」は、インターネットで見つけたもので、
現代の世相をうまく捉えていて面白い。しかし、悲しい物語です。
それではじっくりとお読み下さい。

現代版 マッチ売りの少女

「マッチはいかがですか。マッチを買ってください。」

ぼろぼろの服を着た裸足の少女が寒空の中、連日マッチを売り歩いていた。

しかしながらライフスタイルの変化によるマッチ需要の減退に加え、
中国からの輸入品に押されて売上は右肩下がり。

48ヶ月連続で月次の売上が前年度実績を下回るという悲惨な結果をもたらしていた。

このことは、不特定多数の顧客にマッチ棒の小口街頭販売を行うという従来型の営業そのものが、
ビジネスモデルの限界に近きつつあることを如実に物語っていた。


またこれに追い打ちをかけるように、
長年つきあいのあった銀行が急遽「御社への貸し出し金利の変更を検討したい」と言ってきた。

マッチの販売を委託していた会社側も、足元の著しい売上低下を懸念、
合理化計画の一環として少女に対し「地方の関連子会社への転籍および最大30%の賃金カット」を正式に通告した。


これに対して少女は
「売上不振の要因は会社側の商品開発力の低下ならびに消費マインドの冷え込みによる一時的なもの」と猛反発、労使関係は悪化の一途をたどった。


さらに少女にとってアゲインストな状況は続いた。

まず、
国際環境保護団体の幹部は「少女の販売するマッチが年間で少なくとも約4%の森林を破壊している」と激しく抗議、
議会にレポートを提出するとともにマッチの不買運動を開始した。

また自治体も「未成年が火薬類を販売すること自体、防災上極めて危険な行為」とし、
少女に対し注意喚起を行なった上、
彼女が暖を取るために自らマッチを使用したことが、
「区のポイ捨て禁止条例に違反する」とし、過料2000円の支払いを命じた。


一方で、これらの事態を遠目から眺めていた某NPO法人の代表らは、
「マッチ売りの少女を救う会」を結成、
民間のボランティア団体までをも巻き込んだ大規模な協力活動を展開した。




一連の出来事は、各メディアに大きく取上げられ、一時は社会現象化するなど大騒ぎとなった。


しかし、その昔「おしん」に涙したはずの日本人も、
未曾有の大不況により少女を哀れむ余裕は既に持ち合せていなかった。


それどころか、
「職があるだけまだマシ」と逆に反感を持つ者が続出、
良かれと思って始めたNPOの行動は最悪の結末を迎えることとなった。



こうして世論の厳しい重圧に耐えながら、
結局一文無しで大晦日を迎えた少女は、
数年前に死亡した祖母のことを想いだしては、
手持ちのマッチを一本ずつ擦り、凍りつくような寒さを何とか凌いでいた。


そしてマッチを全部使い果たしたその瞬間・・少女は静かに息を引取った…

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翌朝の新聞は今回の一件を次のように報じた。

『お騒がせ少女、今度は放火?』
- 付近の民家7棟を全焼 焼跡からは大量の使用済マッチ -

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